疾風~HAYATE
東北(青森県津軽地方)が生んだ津軽三味線は、元々、門付(人家の門前に立って芸をみせ、報酬を受けること)として使われ、生きるために人とは違う演奏法を各奏者が生み出し発展させ、そこからいくつもの流派に分かれていった。津軽三味線界の中で流派という概念が主たる存在であることは今も変わりはなく、そこから一歩踏み出す事は容易ではない。他流派同士の交流がもてる場は、年数回の津軽三味線全国大会しかない。そのことに対する懸念を抱き続けていた吉田健一が、「流派の違う若手津軽三味線奏者の交流を深め、新しい何かを創りだそう!」という想いに賛同する奏者を集い、「次世代の津軽三味線集団を誕生させる」そんな志から“疾風"が生まれた。 現在、メンバーは10名。今も各自が生まれ育った地元の活動を大事にし、疾風以外でもソロの演奏家として各地で活躍している。自分にはない個性を「疾風」という場所から吸収することで、各人の演奏、楽曲が豊かに変化する。 その科学反応の連続が奏者の集合体のプラスαとなり、新しい音楽が生まれている。